頬杖は、ただの見た目のクセに見えて、実は骨格そのものをゆっくりと変形させてしまう力がかかっています。しかも痛みが出ないので、虫歯よりも気づくのが遅れてしまいがちなのです。
片側だけに、ずっと負担がかかり続けています
頬杖は、多くの場合、利き手の側や座る位置の癖によって左右どちらか一方に偏ってしまいます。頭の重さは大人でおよそ5キログラム前後もあると言われていて、これを片方の手のひらから顎を通して、毎日のように支えていることになります。歯や顎の関節は、本来左右均等に力がかかることを前提にできているので、片側だけに荷重がかかり続けると、下顎が少しずつ斜めにずれていく方向に力が働いてしまうのです。
痛くないからこそ、進行に気づきにくいのです
虫歯であれば痛みという分かりやすいサインがありますが、頬杖による骨格の変化には、すぐに感じるような痛みがほとんどありません。数ヶ月から数年という長い時間をかけてゆっくり進んでいくので、ご本人はなかなか気づくことができないのです。気がついた時には、写真に写った顔の左右差や、片側だけ噛みにくいといった形で、結果がすでに表れてしまっていることも少なくありません。
原因は、姿勢や環境にあることが多いんです
頬杖そのものを「やめよう」と意識するだけでは、なかなか長続きしません。というのも、この癖は机や椅子の高さ、画面の位置、姿勢の崩れといった、周りの環境に体が合わせようとした結果として出てくることが多いからです。目線が下がりすぎていたり、椅子が体に合っていなかったりすると、体は自然と頭を支えようとして、無意識に手が顎へと伸びてしまいます。
環境を整えることが、いちばんの近道です
ですから対策としては、「頬杖をしないよう我慢する」というより、そもそも頬杖をつく必要のない環境を整えてあげることが大切です。モニターの高さを目線に合わせる、椅子の高さを調整する、長時間同じ姿勢を続けないようにする。こうした小さな環境の見直しが、結果として頬杖の頻度を減らしてくれます。
もし鏡を見て顔の左右差が気になったら、表情を直そうとする前に、普段座っている椅子や机の高さを一度見直してみてくださいね。
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執筆者
医療法人凌和会すが歯科矯正歯科
理事長 菅 良宜
治療理念
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